まるでコメディ映画を見ているかのように、ケラケラと笑う貴一、八重、乙葉。


そんな3人とは違い、恐怖でカタカタと震える和葉。

こんな話を聞いておいて、笑えるわけがなかった。


「まっ…待ってください。わたし…、そんな……ひ…人を殺すだなんて…」

「べつに、和葉が直接手を下すわけではない。やつは、わしのかけた術によって死ぬのだ」


和葉にとっては、まったく説明になっていなかった。

貴一がかけた術とはいえ、和葉の取る行動によって玻玖は殺されるようなものなのだから。


それに、以前乙葉が同じようなことを言ったときは、最後は自分がすると話していた貴一。

乙葉は、負の呪術で玻玖の体を縛っておくだけでいいと。


それなのに、和葉には殺せというのだ。


和葉の頭の中には、玻玖の顔が浮かぶ。