盃に注がれた酒を新郎がひと口飲み、その盃の酒を次は新婦が飲み、最後に新郎が飲み干すというものだ。
呪術家系において、それは双方の呪術が交わるという意味合いが含まれている。
貴一が和葉の唇にかける『眠毒ノ術』は、まず和葉が口をつけた盃とその酒に毒が移る。
そして、和葉が触れた飲み口、または盃の酒を玻玖が飲めば、それだけで玻玖の体は毒に侵されるのだ。
「東雲側も、まさか『眠毒ノ術』がかけられているとは思うまい。あとで八重の『治癒ノ術』であやつの体から毒素を抜いておけば、ただの病死にしか見えないだろう」
顔を見合わせてうなずく貴一と八重。
「あの狐男も幸せでしょうね。呪術師として人生の晴れ舞台である呪結式で、自分が選んだ花嫁に命を奪われるのだから」
「こんなお姉ちゃんでも役に立つことがあるのね」
呪術家系において、それは双方の呪術が交わるという意味合いが含まれている。
貴一が和葉の唇にかける『眠毒ノ術』は、まず和葉が口をつけた盃とその酒に毒が移る。
そして、和葉が触れた飲み口、または盃の酒を玻玖が飲めば、それだけで玻玖の体は毒に侵されるのだ。
「東雲側も、まさか『眠毒ノ術』がかけられているとは思うまい。あとで八重の『治癒ノ術』であやつの体から毒素を抜いておけば、ただの病死にしか見えないだろう」
顔を見合わせてうなずく貴一と八重。
「あの狐男も幸せでしょうね。呪術師として人生の晴れ舞台である呪結式で、自分が選んだ花嫁に命を奪われるのだから」
「こんなお姉ちゃんでも役に立つことがあるのね」