八重と乙葉も楽しそうに口角を上げて笑う。
「お父様…。なにもわたしは、呪術がかかった自分の身を心配しているわけでは――」
「わかっている。うまくできるのかが不安なのだろう?それに関しても安心せい。幸い、東雲はお前をたいそう気に入っているようだからな。遅かれ早かれ、いつかはお前の口づけを求めてくるだろう」
思わず、ゆっくりと迫ってくる玻玖の姿を想像してしまう和葉。
「まあ、そのときを待たなくとも『呪結式』で盃を交わすとき、――あやつは死ぬ」
不気味にニタリと微笑む貴一。
それを見て、和葉は身震いした。
『呪結式』とは、呪術家系同士で執り行われる結婚式の呼び名。
その中で、一般的な神前式と同じように、『三々九度の盃』という儀式がある。
「お父様…。なにもわたしは、呪術がかかった自分の身を心配しているわけでは――」
「わかっている。うまくできるのかが不安なのだろう?それに関しても安心せい。幸い、東雲はお前をたいそう気に入っているようだからな。遅かれ早かれ、いつかはお前の口づけを求めてくるだろう」
思わず、ゆっくりと迫ってくる玻玖の姿を想像してしまう和葉。
「まあ、そのときを待たなくとも『呪結式』で盃を交わすとき、――あやつは死ぬ」
不気味にニタリと微笑む貴一。
それを見て、和葉は身震いした。
『呪結式』とは、呪術家系同士で執り行われる結婚式の呼び名。
その中で、一般的な神前式と同じように、『三々九度の盃』という儀式がある。