明治大正の現在では、呪術をもとに帝に助言することのできる地位まで与えられており、呪術師は陰で政治をも動かす力を持っていると言っても過言ではない。


その帝直属の呪術師『神導位(しんどうい)』にもなれば、呪術師にとっては末代まで続くこの上ない名誉。

帝からの支援金もあり、神導位に着任している間はなに不自由のない暮らしが保証される。


しかし、だれにでもなれる地位ではない。


5年に一度、新たな神導位を選定する『呪披(じゅひ)()』が都の皇居で行われる。

我こそが神導位にと名乗りを上げる全国の呪術師たちが集まり、帝の前でその自慢の呪術を披露する。


そこで、最も力ある呪術師と認められたその家系に神導位の地位が授けられる。


といっても、かれこれこの300年、神導位の座はとある呪術家系が独占している。