そう言って、狐の面の下の口元が笑った。


和葉は恥ずかしさのあまり、頬を赤くしてうつむく。

そんな和葉を愛おしそうに面越しに横目で見つめながら、玻玖は黙って和葉の手を取って同じ歩幅で歩くのだった。


その後、玻玖と和葉は喫茶店へ。

なにをどのように注文していいのかわからない和葉の代わりに、玻玖は慣れたふうにメニューを注文した。


玻玖が和葉のために注文したのは、器に盛られた白くて丸いもの。


「…あっ、冷たい」


器に手を添えた和葉が小さく声をもらす。

スプーンですくい、それを口へと運ぶ。


口の中へ入れた和葉は、目を見開けて何度も瞬きを繰り返す。


「甘くて、…おいしいです!」

「そうか。それはよかった」

「これは、なんという食べ物なのでしょうか…?」

「アイスクリームだ」