「この子の人生に沢山のめばえがありますように、芽。この子の人生に良い風が吹きますように、薫」
「素敵……沢山の願いがこもってる」
芽、薫。
芽、薫。
心の中で何度も繰り返す。優しくて温かい響きだ。
たくさんの人にこの名前を呼んでもらって、二人はきっと素敵な大人に育つ。名前に負けないくらい、素晴らしい人生を生きるはずだ。
「芽、薫」
「そんなに何度も別の男の名前呼ばれたら、流石にちょっと腹立つなぁ」
「息子たちに何言ってんの」
バカ、と肩を叩いて笑う。
隆永に頭を引き寄せられてその肩に寄りかかった。