「大丈夫です。いざとなったら殴るんで。結婚する前もよく引っぱたいてたので、まだ感覚は鈍ってません」

「……あの宮司を、殴ってたんですか?」

「はい。出会った日にも」


あの日はいきなり腕を掴まれてプロポーズされて面倒な酔っ払いに絡まれたと思い、おもいきり引っぱたいたんだっけ。


「分かりました。近くで控えておりますので、何かありましたら声を上げてください」



真言はくすくすと笑って立ち上がった。