「言ったのか!? 幸、真言に言ったのか!?」



真言を振り切ろうと暴れる隆永は、泣きそうな顔でそう叫んだ。

その叫びに胸が締め付けられる。


こうなることは分かっていた、それでもこの道を選んだのだ。



「ごめんね、隆永さん」

「何で、どうしてッ! 俺はただ、幸に生きてほしいだけなんだよ……ッ! 何で、何でだよ!」



騒ぎを聞き付けた神職たちが社頭に出てきて、隆永は社務所に連れていかれた。

行きましょう、と真言に肩を抱かれて歩き出す。


隆永の叫びが、ずっと耳に残った。