「子供の性別が分かりました。男の子です。男の子の双子です」



しばらくの沈黙のあと『すぐに向かいます』と返事があった。その声色から、真言はすぐに全てを察してくれたらしい。

通話が切れた携帯電話を鞄にしまって息を吐いた。



産まれてくる子共たちは間違いなく特別な力を持っている。もし二人目の子に呪が偏ったとして、それに対応できるのは社の神職や隆永だけだ。

この子達を元気に産んであげるには、ずっとここにいる訳にはいかない。




隆永さん、勝手なことして怒るかな。

優しい隆永さんの事だから、きっと怒らないだろう。けれどとても悲しい顔をする。


ごめんね、隆永さん。




息を吐いて空を見上げた。