ここで暮らしていた時と変わらない賑やかさに自然な笑みが浮かぶ。
「で、赤ちゃんはどう?」
「もう四ヶ月だって? そろそろ性別わかってくる頃ね〜!」
「あ、そうなの。実はさっき病院行ってきて、教えてもらったんだけど────」
厨房の奥からガランガランとものを落とす音が聞こえて、転がるような足音と共に清志が顔を出した。
「ど、どっちだ……?」
そんな反応に思わずくすり笑った。
「双子ちゃん、しかも二人とも男の子!」
「ふ、双子? 男?」
「うん。もしかしたら片方には、この店継いで貰えるかもね」
しばらく目を見開いて固まっていた清志だが「そうか、そうか」と噛み締めるように呟くと顔を真っ赤にして厨房へ戻って行く。
清志さん、泣きそうなの堪えてるのよ、耳元でそう囁かれて私まで少し泣きそうになった。