「大丈夫ですよ。赤ちゃん達は順調に育ってます」
「び、びっくりした……。私はてっきり────赤ちゃん"達"?」
聞き間違いかと聞き返せば、先生は少し申し訳なさそうに笑って頷いた。
「これ、見えますかね。これまでもう一人の子の後ろに上手いこと隠れて、見えていなかったみたいです。直ぐに気づけず申し訳ありません」
「……え、え?」
「お腹の赤ちゃん、双子ちゃんですね。二人とも男の子ですよ」
「え、うそ、ええっ?」
思わず大きな声を出してしまい、咄嗟に口を押えた。
男の子、しかも双子。
読み漁った育児雑誌では確かにかなり遅いタイミングで双生児だと発覚した、なんて言うエッセイをちらほらと見たけれど、まさか自分がその当事者になるなんて思ってもみなかった。
こことここですと先生が指さしたモニターをじっと見つめる。確かに同じ丸い影が二つ、寄り添うように並んで写っていた。
あんぐりと口を開いて自分のお腹を見下ろした。
まだ膨らみ始めたばかりでそこまで目立ってはいないこのお腹に、まさか二人分の命が宿っていたなんて。