何度来ても慣れないな、とエコーの画面を緊張気味に見上げる。

隆永の言われた通り車で送迎してもらった幸は産婦人科に来ていた。


看護師に「リラックスしてくださ〜い」と肩を叩かれて慌てて深く息を吐いた。



「うん、順調ですよ。元気に育ってますね」



モニターを覗き込んでいた医師が笑みを浮かべて振り向いた。



「ほんとですか? 良かったー……」

「この調子で行けば、なんにも問題な────ん?」



突然画面を見つめながら固まった先生に、幸の表情が強ばった。

ばくん、と心臓が嫌な音を立てる。


深呼吸しましょうね、と看護師に肩を摩られたけれど、鼓動はいっそう大きく早くなる。



「せ、先生……? あの、何か」

「静かに。深呼吸して」


そんな態度を取られて落ち着ける訳もなく、必死に息を吐くことに集中しようと試みたが動揺が隠せない。

何度も何度も角度を変えてモニターの映像を確認する。


何がどう映っているのか、幸には何も分からなかった。



「やっぱり、間違いないな」



はぁー、と感心したように息を吐いた先生がにこやかな表情で振り向いた。