芽はいつも俺のせいにしてきた。ずっとそうだった。芽の自分勝手に振り回されてきたのはいつも俺だった。



「もうやめろよ俺を言い訳にするのはッ! 自分で自分にそう(のろ)いをかけたんだろ!」




芽はまるで駄々をこねる俺を子供を宥めるように、少し困ったように笑って小さく首を振る。



「今日は言い争うつもりで帰ってきた訳じゃないんだ。とりあえず一緒に来てよ薫」



芽が右手を差し出す。ギリと歯を食いしばり、勢いよく払った。

芽はため息をついた。



「嬉々もだよ。二人ともここにいちゃ危険なんだ」



芽が嬉々に手をさし伸ばした。

その手を一瞥した嬉々がパンと払い除ける。驚いた顔をした芽が目を瞬かせる。



「私はありとあらゆる呪いを研究したい神々廻芽より神々廻薫の近くにいたほうがその目的は達成出来るだから薫がここから動かない限り私は行かない」

「それは……つまり嬉々は、そちら側の人間だということかな」

「そんな事私にはどうでもいいただ私を傍に置きたいのならお前が戻ってこい」

「あはは、なるほどそう来たか。嬉々は策士だねぇ」




芽は楽しそうに声を上げた。