「お前たちに急ぎ戻らせたのは、神々廻芽についての情報を全て開示してもらうためだ。1人ずつ取り調べを受けてもらう」



近くにいた神職の一人が嬉々の肩を掴んだ。

嬉々が大きく目を見開き自分を見つめる。激しく動揺しているのがわかった。



「神々廻芽について知りうる情報は全て話しなさい。何か一つでも隠蔽すれば同罪と看做すことになる」



同罪?

何を言ってるんだ。芽は犯罪者なんかじゃない。

訳が分からない、何かの間違いだ。あの芽がこんなことを────。




前にみんなで見たサスペンス映画の取調室みたいな小さな会議室に連れていかれて、芽について色んなことを聞かれた。

幼少期のころから普段の様子まで。一緒に観た映画のタイトルを聞かれた時はあまりの阿呆らしさ混乱していた頭がやっと落ち着いた。

その後は聞かれたことにだけ淡々と答えて、やっと解放されたのは日付が変わろうとする頃だった。


最後に今回の一連の襲撃については他言無用であることをきつく言い聞かされた。

まねきの社が襲われたのは空亡に準じた妖のせいになるらしい。