薫が任務についてから何となく開催が見送られていた映画鑑賞会は日曜日の夕方までぶっ通しで開催された。

初めに嬉々が脱落して宙一の布団を占領し、次に開催者の宙一が脱落し夢の国へと旅だった。


散らかったテーブルの上を片付けながら「そろそろお開きだね」と欠伸をこぼす。「だね」と薫はまだ平気そうな顔で相槌を打った。



「薫、休まなくて平気なの?」

「うん。任務中も寝れない日とかあったし、これくらいならまだ全然平気」



思わず黙ると薫がはっと顔を上げて「その後はちゃんと寝てるから」と付け足す。

疑う目を向ければ、薫は苦笑いで肩を竦めた。



「そっちはどうなの。授業進んだ?」



分かりやすく話題を変えた薫に呆れながらも話に乗る。



「それが休講ばっかで全然」

「良かった。呼び出されるまでまた学校通おうと思ってたから、安心した」

「分かんなくても、俺が教えるよ」

「ありがと。さすが優等生」



ふふ、と薫が悪戯に笑う。

なんだよそれ、と肩を軽く叩いた。