「どこも怪我してないよ」 体をまさぐられた意図が分かったのか、薫がくすくすと笑いながらそう言う。 「後でパンツも脱がすから」 「流石にそれは犯罪」 「冗談だよ」 「目が本気なんだよ」 そんな軽口も随分久しぶりだ。 目と目が合う。 色々と言いたいことはある、けど────。 「おかえり、薫」 薫は目を瞬かせたあと、少し恥ずかしそうに「ただいま」と応えた。