途中で夕食休憩を挟んでから宙一のオススメをもう一本観て、夜も深まった丑三つ時にお開きになった。
「嬉々、女子棟帰る時に自販機の前通るでしょ。ついでに缶捨てて」
「はぁ……やっと寝れる。宙一のオススメ本当につまんないんだけど」
「無駄な時間を過ごした私たちに心から謝罪してくれ」
テーブルの上に散乱するお菓子のゴミを纏めながら、各々に伸びをして立ち上がる。
宙一はと言うと、どこにそんなシーンがあったのかバスタオルに顔を埋めながらしくしくと泣いている。
「ちょっと。宙一も片付け手伝いなよ」
「もう暫くこの感動に浸らせてくれよ……」
「どこにそんなに感動するポイントがあったのさ」
「お前は血も涙もないのか!?」
また言い争いを始めた宙一と薫に呆れながら、最後にゴミ袋をキュッと縛った。
「薫、部屋戻るよ」
「あ、うん。その前に一個いい? みんな、聞いて欲しいんだけど」
妙な言い方に首を傾げた。
出ていこうとしていた嬉々が足を止めて振り返った。なんだよ改まって、と宙一も怪訝な顔をする。
「俺、明日から暫く学校休むことになった」



