言祝ぎの子 参 ー国立神役修詞高等学校ー



「あははっ! 聞くわけねぇ!」

「お前が言うな宙一!」


もう一発指導を受けた宙一は反省したのかしゅんと肩を落とした。

人形から解放されたあと四人仲良く両手にバケツを持って廊下に整列させられた。



「お前らはいつまで俺に怒鳴られ続けるつもりだ? 勘弁してくれ、これ以上血圧が上がると困るんだ」

「健康診断、肥満で引っかかった?」



薫がそう尋ねて隣の宙一がきひひ、と笑う。

握った拳を持ち上げた担任に二人は口を閉じて姿勢を正した。



「多くは望まん、ただ一週間に一度くらいは静かに過ごさせてくれ」

「でもさ斎賀っちょ。静かだったらそれはそれで、俺らがまた何か企んでると思わねぇ?」

「思う」

「じゃあ無意味じゃね?」

「いいから全員次の俺の授業はそこで立って受けてろ」



授業にならないのでは、と突っ込めば自分も二発目を貰いそうだったので芽は口を固く閉じた。