「負けた奴は明日一日下僕ね」 「こいつ一人勝ちする気だぞ薫! ぜってぇ負けねぇ、協力してぶっ潰すぞ!」 「任せろ宙一」 少し前までいがみ合っていた癖に、もう結託して肩を組んでいるふたりに思わず笑ってしまう。 薫の手から木の枝に紐を括りつけただけの釣竿をひったくると走り出した。