一週間の神社実習は思っていたよりも早く最終日を迎え、最終日もやはり福豆の袋詰めを丸一日任されて終わった。
「やべぇ俺まだ日誌一ページも書いてないんだけど! 頼む芽の見せて!」
「やだよ、サボった自分が悪いんでしょ」
「嬉々、薫〜! 一生のお願い!」
「自業自得だな」
冷たくそう言い放ちさっさと最終日の日誌を書きあげた嬉々が立ち上がる。自分も禰宜頭のハンコを貰うとカバンを持って立ち上がった。
会議室を出る直前で「裏切り者〜!」と宙一の恨めしそうな声が聞こえた。
神社実習で高等部の三学年が不在なのもあって、日が暮れる前には帰ってきたけれど学生寮はがらんと静かだった。
真っ直ぐ自分の部屋へ帰って、そのまま引きっぱなしの布団に倒れ込む。枕に顔を埋めて肺の空気を全て吐き出した。
短いようで長い一週間、何も無いようで色々あった。
あの日を境に芽は不機嫌な態度をぴたりとやめた。急に態度を変えた芽は妙だし、自分たちの関係は相変わらずだ。
明日は土曜日で学校は休み、今日はこのまま眠ってしまおう。
瞼を閉じればよっぽど疲れていたのか直ぐに眠りについた。