となれば離れか鎮守の森か。 「真言、あと数人連れて離れに。芽が見つからなければ、鎮守の森に入れ」 「承知しました……!」 すぐに近くにいた神職二人を呼び止めた真言が離の方へ走り出す。 もう一度本殿へ向かおうと一歩踏み出したその時、隆永ははっと振り返った。母屋と離れの間にある稽古場には、まだ誰も向かっていない。 勢いよく土を蹴りあげ走り出した。