言祝ぎの子 参 ー国立神役修詞高等学校ー



「お願い、お母さん!」

「でももう寝る時間でしょ? 明日の朝の神事、起きれないよ」

「起きれるからー!」


開門の儀が行われた早朝からいくつもの神事が本殿や神楽殿で執り行われ、双子が解放されたのは21時を回った頃だった。

既に幸の膝を枕にして微睡む薫とは反対に、芽は必死に頼み込んでいた。



「明日から一週間は出店もずっとでてるし、明日の日が出てるうちに行ったら?」

「妖たちの屋台は夜しかやらないの! それに僕、お店いきたくてお昼の神事も頑張ったの!」

「もー……」



おねがい!と抱きつかれて、幸はやれやれと肩を竦めた、



「日付が変わる前には帰ってくるんだよ?」

「行ってもいいの!?」

「その代わり、明日朝寝坊してもお母さん起こさないからね」

「分かった!」



お母さんありがとう、ともう一度抱きついた芽は幸の膝の上で眠る薫の肩を揺すった。



「薫起きて! 出店いこう!」

「こら芽! 薫は寝てるんだし、それに────」

「神事に出てもいいってことは、もう大丈夫ってことでしょ! それにお父さんに見つかって叱られたら、僕が一緒にあやまるから!」