言祝ぎの子 参 ー国立神役修詞高等学校ー



「薫はお父さんになにをならってるの? 僕は真言に"はらえことば"ならったよ!」

「……"しゅ"のおさえかた」

「へぇー! いいなぁ薫は。僕もお父さんにおしえてもらいたいなぁ」


幸が止めるよりも先に薫の表情が強ばった。

「芽」と諭すように名前を呼べば、芽は不思議そうに首を傾げた。



「でも次の春からはいっしょにお稽古できるね。薫も"しんしゅう"にいくでしょ!」

「芽……!」



窘めるように名前を呼ばれたことに芽は目をキョトンとさせた。



「しんしゅうって……なに?」

「薫、あのね────」

「学校だよ! "シンショク"になるための勉強をするところだよ。友だちもいっぱいいて、お祭りもあるんだよ! 六歳になったらみんな行くって、真言いってたもん」


薫が大きく目を見開く。


「お母さん、僕も"しんしゅう"行くの……?」

「あ……あのね、薫」

「僕も六歳になるから、芽といっしょにいくの? そしたらお父さんのお稽古も終わりだよね……!」



瞳を輝かせて自分を見上げる薫にすぐに言葉が出なかった。

こんなにも明るい声を出した薫は久しぶりだったからだ。