言祝ぎの子 参 ー国立神役修詞高等学校ー



縁側に三人並んで、幸の実家から届いた練り切りを頬張る。


「薫、おいしい?」

「ん……」

「じゃあ僕のもあげるね」


自分のを割って差し出した芽に、薫は恐る恐る手を差し出した。



「お利口さんな芽にはお母さんの分をあげる」

「やった! 僕おじいちゃんの家に住もうかなぁ。そしたらお菓子たべほうだいだもん。それに、薫もお母さんもずっとにこにこでしょ?」

「ふふ、今度おじいちゃんにお願いしてみたら?」

「おじいちゃん家にもに家鳴(やなり)がいるなら住んでもいいかな〜」


機嫌よくそう言った芽に目尻を下げる。その横に座る薫は目を伏せて遠くを見つめていた。



「薫は家鳴すき?」

「……見たことない」

「そうなの? どこにでもいるよ。こんどつれてこようか?」

「いい。僕がちかよると……ころしちゃうから」

「へんなの。それならお母さんも僕もしんじゃうのにね」



何気ないその一言に薫の表情がいっそう陰る。

幼いながらにそれを感じとった芽が、戸惑いながらも話題を変える。