言祝ぎの子 参 ー国立神役修詞高等学校ー


顔を覗き込まれて、薫はふいと目をそらす。



「泣いてない。いたくない……」

「そっかぁ。薫は我慢できてえらいねぇ」



芽に頭を撫でられて、堪えていた涙が零れた薫は「うん」と頷いた。

二人のやり取りを目を細めて見守っていた幸は「そうだ」と声を上げる。



「二人とも。おじいちゃんからお菓子が届いたから、一緒に食べよっか」

「おじいちゃんのお菓子!」

「薫、そこの棚から取ってくれる?」



涙を拭った薫は「うん」と頷いた。