その手紙に記された内容はこうだった。



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 私は鬼の子。私の身に起きた真実を未来のために、ここに記そうと思う。

 鬼の子の女児と産まれた私は、もてはやされ育てられました。私が10歳の時です。
 鬼の子の女児に関する書物が発見された。

 「鬼の子の女児 接吻された者は命を授かる」

 私に接吻された者は人1人分の命の期限が与えられる。というものでした。その噂を聞きつけた町人達は、我が我がと10歳の私に求婚を申し込みにきました。
 人の欲とは醜いものです。それが叶わないとなると力ずくで私の唇を奪おうとやってきました。1人や2人ではありません。多くの人が血眼になってやってきました。

 鬼王家の家臣達が、なんとか守って下さいました。しかし、争いが収まることはなく私は地下牢に閉じ込められる事となりました。

 争い合う人々で溢れかえり、死者も出ました。
 私を守るために、何人もの家臣が亡くなったと聞きました。

 私が生きている限り、争いは消えないのです。
 人の欲とは醜いものです。
 人よりも長生きしたいがために、他の誰かの命を奪うなんて事が許されるのでしょうか。
 この悲劇を2度と起こさぬよう、鬼王の家臣には偽りの呪いを申し付けました。

 「鬼の子の女児 接吻された者は死す」

 このように、噂を立てるように申し付けました。
 偽物の書物も書き、それを広げるようにと申し付けました。

 どうか、もうこのような争いが起きぬよう、
 この争いの発展である私の命を持って、お願い致します。

 恐々謹言

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