私は生きていてはいけない人間だ。 人間と表現していいのかも分からない。 ただ歩いてるだけで小石を投げられ罵倒される。 ただそこに存在するだけで疎まれ憎まれる。 私は、ただ息をしているだけで嫌われ続ける。 私には名前がない。 正確には鬼王花純(きおうかすみ)という名前がある。しかしこの町では名前で呼ばれることはないのだ。 皆は私をこう呼ぶ。「鬼の子」と。