護るべきもの―兄が遺した、俺の人生―

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

『護るべきもの―兄が遺した、俺の人生―』は、
大切な人を失った悲しみや怒りに囚われながらも、自分自身の人生を取り戻していく少年の物語です。

 兄の死をきっかけに、復讐心と正義感を抱えながら法学部を目指していた真護。
 そんな彼の前に現れたのが、口うるさくて、どこか放っておけない幽霊・マモルでした。
 真護にとって、兄の死はずっと「自分が生きていることへの罪悪感」と結びついていました。
 けれど、本当に兄が願っていたのは、弟が兄のために人生を捧げることではなく、兄が護ったその命で、自分自身の幸せを見つけて生きていくことだったのだと思います。

 誰かを許せない気持ちは、簡単には消えない。
 無理に許す必要もないのかもしれない。
 それでも、その憎しみに自分の人生すべてを預けるのではなく、自分が笑って過ごせる未来を選ぶこともまた、大切な一歩なのだと思います。

「護るべきもの」とは何なのか。

 それは、大切な誰かかもしれない。
 その人との思い出かもしれない。

 そして時には、自分自身の人生なのかもしれません。

 真護の中には、これからもずっと兄・護が生き続けます。
 兄が命を懸けて護ったものを、今度は真護自身が大切にして生きていけますように。

 ここまで二人の物語を見届けてくださり、本当にありがとうございました。

【新作のお知らせ】

①『君という夢を描いて The after story―Embrace it all―』を公開しました。
 これまで『Embrace it all』シリーズとして展開していた物語を、『君という夢を描いて』の続編として加筆・修正し、改稿した作品です。
 今回の改稿では、新たなエピソードも追加しました。
追加エピソードによって、これまでとは少し違った亞紗斗の一面も垣間見える内容になっています。
 そして今回は、少々コミカルな場面も加わりました。
 物語の大きな流れはそのままに、より深くなった人物像や、新しく加わった場面など、既存作品との違いも楽しんでいただければ幸いです。
〈加筆エピソード〉
 6話「幸せの足音」―愛し子―
 7話「日本とアメリカ、稀に大阪」―知られたくなかった秘密―

②『初恋、のちパパになる―憧れのあなたは母になっていた―』を公開しました。
 恋を知らずに生きてきた新米弁護士・神城玲が、再会したのは、かつて憧れていた年上の女性――そして、彼女の腕に抱かれていた小さな赤ちゃんでした。
 これは、玲にとって最初で最後の恋の物語です。
 戸惑いながら恋を知り、大切な人とその子どもを守りたいと願い、少しずつ絆を育みながら、やがて本当の「家族」になっていくまでを描いています。
『リーガルウェポン』から広がった、神城玲の恋愛編。
 恋に不器用な玲が、愛する人と子どもとともに歩んでいく姿を、ぜひ温かく見守っていただけたら嬉しいです。