「拓海が、それいうなら俺も一緒だし……拓海が体調悪い時はすぐわかるし、温厚だけど意外と意思が強くて、一度決めたことは絶対曲げない強さがあることも知ってるし……あと、困ったときに頬かくクセとか」

「え……あ、ほんとだ……」

拓海が頬から指先を離すと恥ずかしそうに少しだけ俯いた。

(……俺、何言って……)

気恥ずかしくなった俺は口を閉ざした。すぐに拓海が、ふっと笑う。

「……なんかわかんないけど……青春してんのかもな、僕らも」

「ちょっ……なんだよそれ! なんて返したらいいかわかんねぇだろっ」

「あはは。葵、顔あかいよ」

「ばぁか、うっせ。暑いからだよっ!」

ようやく少しだけ傾いてきた太陽をみながら俺が立ち上がると、拓海も立ち上がる。いつも間にか拓海の身長は俺よりも少しだけ高くなった。

「あれ? 拓海また伸びた?」

「どうだろ? でも小さい頃は、ずっと葵のが高かったから……なんか未だに変な感じだけど」