「だってよ、加澤。これで楽ができるぜ」
孝慈は笑って続ける。まったく、お前ってやつは……。
「そしてメンバーは、俺、松野、加澤、そして和歌子だ。そうすればグループワークの作業は最小限で済む。
かわりに彼女の言う、その不幸解決に俺も協力する。
どうだ? 加澤たちにとっても悪くない条件だろ?」
「かえって時間がかかるんじゃない? 葉っぱ集めのことがどう転ぶかなんてまだ分からないし」
僕がクリームソーダを飲み干して皿の横に置くと、孝慈は空になったコップを指でピンと弾いて言った。
「それでも、普通のグループワークよかは、お前らと組んだほうが楽しそうだからさ。
なんか、このまま夏休み入っても、いつも教室でダベってる、いつもと同じ奴らとダラダラ過ごして終わると思うし」
孝慈はテーブルをぐるりと見回して笑う。
「でも、今ここにいる面子ってさ、俺も含めてなんだか面白そうなメンバーじゃん。よくも悪くも個性的で」
「悪かったね」
「こんなに楽しそうな夏休みが目の前に転がってるんだぜ? みすみす逃せるかよ」
ワクワクしている孝慈に、僕はため息をついて指摘する。
「だいたい、僕たち、まだ一緒に班を組むって決めたわけじゃ――そもそも僕はまだ葉っぱ集めに協力するかどうか、和歌子ちゃんに言ってない」
「え、そうなのか? 俺はてっきりもう決めたのかと――」
孝慈が肩をすくめると、厨房の奥から調理係らしき人が出てきて怒鳴りつけた。
「おい小野寺、何やってる! なんで皿洗いがオーダー取ってるんだ!」
「あ、店長! スンマセン」
店長に見つかり、孝慈は慌てたようにきびすを返した。
そして厨房に戻る前にもう一度僕たちを振り向く。振り向きざまに白い歯が笑っていた。
「すっかり忘れてたけど俺、バイト中だったわ。まぁ、というわけで、明日からよろしくな!」
「おい孝慈、待てったら――行っちゃった」
孝慈は厨房の奥に引っ込んでいった。僕は彼が忘れていった、テーブルに置かれたままの大きな皿の山を見てため息をつく。
孝慈は笑って続ける。まったく、お前ってやつは……。
「そしてメンバーは、俺、松野、加澤、そして和歌子だ。そうすればグループワークの作業は最小限で済む。
かわりに彼女の言う、その不幸解決に俺も協力する。
どうだ? 加澤たちにとっても悪くない条件だろ?」
「かえって時間がかかるんじゃない? 葉っぱ集めのことがどう転ぶかなんてまだ分からないし」
僕がクリームソーダを飲み干して皿の横に置くと、孝慈は空になったコップを指でピンと弾いて言った。
「それでも、普通のグループワークよかは、お前らと組んだほうが楽しそうだからさ。
なんか、このまま夏休み入っても、いつも教室でダベってる、いつもと同じ奴らとダラダラ過ごして終わると思うし」
孝慈はテーブルをぐるりと見回して笑う。
「でも、今ここにいる面子ってさ、俺も含めてなんだか面白そうなメンバーじゃん。よくも悪くも個性的で」
「悪かったね」
「こんなに楽しそうな夏休みが目の前に転がってるんだぜ? みすみす逃せるかよ」
ワクワクしている孝慈に、僕はため息をついて指摘する。
「だいたい、僕たち、まだ一緒に班を組むって決めたわけじゃ――そもそも僕はまだ葉っぱ集めに協力するかどうか、和歌子ちゃんに言ってない」
「え、そうなのか? 俺はてっきりもう決めたのかと――」
孝慈が肩をすくめると、厨房の奥から調理係らしき人が出てきて怒鳴りつけた。
「おい小野寺、何やってる! なんで皿洗いがオーダー取ってるんだ!」
「あ、店長! スンマセン」
店長に見つかり、孝慈は慌てたようにきびすを返した。
そして厨房に戻る前にもう一度僕たちを振り向く。振り向きざまに白い歯が笑っていた。
「すっかり忘れてたけど俺、バイト中だったわ。まぁ、というわけで、明日からよろしくな!」
「おい孝慈、待てったら――行っちゃった」
孝慈は厨房の奥に引っ込んでいった。僕は彼が忘れていった、テーブルに置かれたままの大きな皿の山を見てため息をつく。