「なんじゃいこれは」
孝慈は目をまるくして和歌子を見ている。
「……加澤と松野が仲良かったなんて知らなかったし、俺の目の前には女の子が突然現れるし。いったいこの状況は何なんだ」
「いや、松野とは、事情があって今さっきはじめて話したんだ。この子に限っては三十分前に会ったばかりだし」
「キミ、歌高の校章つけてるけど、うちの生徒か?
旧式の服っぽいけど……てか、うちの制服が男子詰め襟女子セーラーだったのって、もう十年以上も前の昔話じゃ――?しかも冬服」
孝慈は自分の半袖ワイシャツと和歌子のカーディガンとを見比べて首をかしげている。
「わたしは和歌子って言います! わたしは……そう! わたしも、瑞夏さんと同じでちょっと事情がありまして」
和歌子は言いづらそうにカーディガンの袖を両手でもじもじと合わせる。
「事情?」
孝慈は首をかしげた。
孝慈は目をまるくして和歌子を見ている。
「……加澤と松野が仲良かったなんて知らなかったし、俺の目の前には女の子が突然現れるし。いったいこの状況は何なんだ」
「いや、松野とは、事情があって今さっきはじめて話したんだ。この子に限っては三十分前に会ったばかりだし」
「キミ、歌高の校章つけてるけど、うちの生徒か?
旧式の服っぽいけど……てか、うちの制服が男子詰め襟女子セーラーだったのって、もう十年以上も前の昔話じゃ――?しかも冬服」
孝慈は自分の半袖ワイシャツと和歌子のカーディガンとを見比べて首をかしげている。
「わたしは和歌子って言います! わたしは……そう! わたしも、瑞夏さんと同じでちょっと事情がありまして」
和歌子は言いづらそうにカーディガンの袖を両手でもじもじと合わせる。
「事情?」
孝慈は首をかしげた。