孝慈と病院の休憩所でアイスを食べながら話した時。
『彼女、本当の親がいなくて、幼い頃は施設で育ったんだってさ』
僕は鈴夏が小学生時代の、まだ瀬奈にいたころのクラスメイトだった人たちにも会った。
でも、おかしい。僕が会った誰もが、孝慈が病院で話してくれた鈴夏の過去、施設で育ったことを知らなかった。施設のことを話すと、皆驚いた顔をしていた。
松野も僕も、クラスメイト達も知らなかった秘密。
そこまでしてかたくなに守った秘密を、告白を断るための打ち明け話で、鈴夏のほうからあっさりと孝慈に言ったらしい。
孝慈があのとき病院で語ったのはそういう話だったけど、果たして本当だろうか。
僕の瀬奈での調査は、けっきょく小野寺孝慈への不信感を残した。
――孝慈は嘘をついている。
孝慈は別の方法で、鈴夏の秘密を知っていた。
そして、彼は鈴夏の、深い関係者。
僕の予想は、もうまとまっていた。
だけど、決定打がない。二人の関係性を証明するものが。
『彼女、本当の親がいなくて、幼い頃は施設で育ったんだってさ』
僕は鈴夏が小学生時代の、まだ瀬奈にいたころのクラスメイトだった人たちにも会った。
でも、おかしい。僕が会った誰もが、孝慈が病院で話してくれた鈴夏の過去、施設で育ったことを知らなかった。施設のことを話すと、皆驚いた顔をしていた。
松野も僕も、クラスメイト達も知らなかった秘密。
そこまでしてかたくなに守った秘密を、告白を断るための打ち明け話で、鈴夏のほうからあっさりと孝慈に言ったらしい。
孝慈があのとき病院で語ったのはそういう話だったけど、果たして本当だろうか。
僕の瀬奈での調査は、けっきょく小野寺孝慈への不信感を残した。
――孝慈は嘘をついている。
孝慈は別の方法で、鈴夏の秘密を知っていた。
そして、彼は鈴夏の、深い関係者。
僕の予想は、もうまとまっていた。
だけど、決定打がない。二人の関係性を証明するものが。


