「その光は――?」
どこかから現れたオレンジ色の光が、夕陽のようにおぼろげな丸を形づくった。
鈴のような音が一瞬鳴ったかと思えば、オレンジ色の光は和歌子の髪の上に集まってゆく。
光が吸収されていくのは、幸運のクローバーのデザインをした、髪飾りの金具だ。
オレンジ色の光が晴れると、和歌子の髪飾りには薄緑色の葉っぱが一枚ついていた。今までは無かったものだ。
僕の視線に気づいたのか、和歌子は頭に軽く手をやって答える。
「この葉っぱを四枚集めることが、わたしの目的です」
和歌子はそのままこちらに背を向けると、近くの喫茶店を指差した。
「詳しい話はそこでしましょう。このままだと日も暮れちゃいますし」
そう言って和歌子は歩き出した。
僕は松野と顔を見合わせる。
先刻まで眠たげにしていた松野の表情は、今見た光景が信じられないというふうにはっきり見開かれていた。
*
どこかから現れたオレンジ色の光が、夕陽のようにおぼろげな丸を形づくった。
鈴のような音が一瞬鳴ったかと思えば、オレンジ色の光は和歌子の髪の上に集まってゆく。
光が吸収されていくのは、幸運のクローバーのデザインをした、髪飾りの金具だ。
オレンジ色の光が晴れると、和歌子の髪飾りには薄緑色の葉っぱが一枚ついていた。今までは無かったものだ。
僕の視線に気づいたのか、和歌子は頭に軽く手をやって答える。
「この葉っぱを四枚集めることが、わたしの目的です」
和歌子はそのままこちらに背を向けると、近くの喫茶店を指差した。
「詳しい話はそこでしましょう。このままだと日も暮れちゃいますし」
そう言って和歌子は歩き出した。
僕は松野と顔を見合わせる。
先刻まで眠たげにしていた松野の表情は、今見た光景が信じられないというふうにはっきり見開かれていた。
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