「は?」
頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。
「今…なんて言った?」
地に這うような低い声が出た。
そのあまりにも衝撃的な発言に啞然。
言葉を失っていれば八雲は笑っていた。
「君の母親・藤宮美椿は久野家に嫁いだ。だが生まれた子供に異能がないと知れば、母子は久野家を追い出されたのだ。異能を持たない者にこの世界で生きる価値などない。そう考えれば君は向こう側の人間だ。だがもし…その原因を作った犯人が君の母親事態にあると言えば、君はどう思う」
母がわざと自分を異能のない人間にした?
どういう事?
なぜそんな事をわざわざする必要が、、
「藤宮家とは特別なのだよ。その歴史は我ら三大術家が劣る、それだけ太古の繋がりを持つ。あの家に生まれた人間、特に女の血には生まれつきあるものが備わっている。何か分かるかね?」
「…」
「御神の血。つまり神の力をふんだんに含んだ巫女の血だ。『御神の子』とも呼ばれていてね。宿せるのは藤宮家の中でも極僅か。彼女達は異能とは異なり、神の御告げを聞けば体内には莫大な神聖力を宿すとされている。その力を持ってすれば術家は偉大な力を手にすることができる。美椿は藤宮家が生んだ、御神の子なのだよ」
お母さんが巫女⁈
藤宮家がそんなに凄い家系だったことすら初めて知ったのに御神の血を継承していたなんて。母は最後まで何も話すことなく死んでしまった。詳しい内情を聞くことができなかった時雨には今の話が信じられなかった。
「美椿が追い出された日、私は彼女の元を訪ねた。その内容は君を貰い受けたいというものだった。久野家の直轄地に意気揚々と足を踏み入れることもできんしな。だが一度追い出したものを久野家も干渉はせぬと考えたんだよ」
久野家視点からでは裏で繰り広げられていた問題に目がいかなかった。だけどあの日、母が戻らなかった理由がやっと分かった。母はもう、あの時点で八雲家と絡んでいたんだ。
「だが美椿はそれを拒んだ。大方、私の考えを予知していたのだろう。君に異能を持たないからと。君に手を出さないことを条件に自分が身代わりになることを選び、私の研究に協力していた」
「何ですって…」
「ここは術師の強度を測る独自の実験施設。その仕組みは至ってシンプルだ。対象者に対象の式神を憑依させて体と異能を同時強化させる。そしてこの部屋は最も難易度の高い式神クラスを保管し、対象者にぶつける部屋だ。憑依の対象となる代表格は…」
陽の前鬼、陰の後鬼。
「それって、安倍晴明の」
陰陽師であればその名を知らぬ者はない。
日本屈指の力を誇る陰陽師として名を馳せた有名人。
安倍晴明。
彼はその昔、多くの鬼神を使役し、時に式神として身の周りの世話までさせていた。
「我ら八雲家率いる陰陽師は彼の死後、これらの式神を酷く持て余してね。何せ元は悪行罰示神。彼らの持つ力は強すぎる。過去にも多くの陰陽師が使役しようと試みるも逆に精神を操られ呪殺してね。今は厳重な封印が施されたこの場所にその身を奉納しているのだよ。まさに今、君が座るその太極図の中にね」
頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。
「今…なんて言った?」
地に這うような低い声が出た。
そのあまりにも衝撃的な発言に啞然。
言葉を失っていれば八雲は笑っていた。
「君の母親・藤宮美椿は久野家に嫁いだ。だが生まれた子供に異能がないと知れば、母子は久野家を追い出されたのだ。異能を持たない者にこの世界で生きる価値などない。そう考えれば君は向こう側の人間だ。だがもし…その原因を作った犯人が君の母親事態にあると言えば、君はどう思う」
母がわざと自分を異能のない人間にした?
どういう事?
なぜそんな事をわざわざする必要が、、
「藤宮家とは特別なのだよ。その歴史は我ら三大術家が劣る、それだけ太古の繋がりを持つ。あの家に生まれた人間、特に女の血には生まれつきあるものが備わっている。何か分かるかね?」
「…」
「御神の血。つまり神の力をふんだんに含んだ巫女の血だ。『御神の子』とも呼ばれていてね。宿せるのは藤宮家の中でも極僅か。彼女達は異能とは異なり、神の御告げを聞けば体内には莫大な神聖力を宿すとされている。その力を持ってすれば術家は偉大な力を手にすることができる。美椿は藤宮家が生んだ、御神の子なのだよ」
お母さんが巫女⁈
藤宮家がそんなに凄い家系だったことすら初めて知ったのに御神の血を継承していたなんて。母は最後まで何も話すことなく死んでしまった。詳しい内情を聞くことができなかった時雨には今の話が信じられなかった。
「美椿が追い出された日、私は彼女の元を訪ねた。その内容は君を貰い受けたいというものだった。久野家の直轄地に意気揚々と足を踏み入れることもできんしな。だが一度追い出したものを久野家も干渉はせぬと考えたんだよ」
久野家視点からでは裏で繰り広げられていた問題に目がいかなかった。だけどあの日、母が戻らなかった理由がやっと分かった。母はもう、あの時点で八雲家と絡んでいたんだ。
「だが美椿はそれを拒んだ。大方、私の考えを予知していたのだろう。君に異能を持たないからと。君に手を出さないことを条件に自分が身代わりになることを選び、私の研究に協力していた」
「何ですって…」
「ここは術師の強度を測る独自の実験施設。その仕組みは至ってシンプルだ。対象者に対象の式神を憑依させて体と異能を同時強化させる。そしてこの部屋は最も難易度の高い式神クラスを保管し、対象者にぶつける部屋だ。憑依の対象となる代表格は…」
陽の前鬼、陰の後鬼。
「それって、安倍晴明の」
陰陽師であればその名を知らぬ者はない。
日本屈指の力を誇る陰陽師として名を馳せた有名人。
安倍晴明。
彼はその昔、多くの鬼神を使役し、時に式神として身の周りの世話までさせていた。
「我ら八雲家率いる陰陽師は彼の死後、これらの式神を酷く持て余してね。何せ元は悪行罰示神。彼らの持つ力は強すぎる。過去にも多くの陰陽師が使役しようと試みるも逆に精神を操られ呪殺してね。今は厳重な封印が施されたこの場所にその身を奉納しているのだよ。まさに今、君が座るその太極図の中にね」



