最後まで読んでくださった皆様、誠にありがとうございました。

 今回は家族の愛情をメインとした作品でしたが、いかがだったでしょうか。
 現役中高生の皆様、そして過去に同様の経験をされた方々、何か通じるものはありましたでしょうか。
 そして今現在、同じ年頃のお子様がいらっしゃる保護者の皆様、向き合い方に悩んでいる方もいらっしゃいますでしょうか。

 実は私自身、主人公と少し似たような思いをした経験があります。
 堂々と反抗できるような人間ではなかったのですが、当時はやはりただ受け入れられるほど大人ではなかったので、湧き出る怒りの感情を抑え込んだり、文字に書き出してみたりという行為しかできませんでした。

 ですが、年齢を重ねるにつれ、当時は辛かったあの言葉の数々にも、愛があったのだと思うようになっていきました。

 きっと、同じような経験をしていても、大人になった時には我が子への伝え方がわからず、すれ違ってしまうことも多いと思います。

 例え親子であっても他人のため、愛を持ってかけた言葉の意味も、上手く伝わらずに、お互い悩み苦しむこともあるでしょう。

 そんな方々に向けて、少しでも子供視点、親視点で読んでもらい、主人公だけでなく読者の皆様も一緒に、何かしらの気づきを得て、成長できる作品であってほしいと願いながら書きました。

 まだ私は親にはなっていません。
 いつか子どもができた時に、同じように辛い言葉をかけてしまうことも時にはあるかもしれません。
 そんな時に、この作品を読み返し、自分が当時感じたことを思い出せるように、また自分の子に、親の愛の形を伝えられるように、という思いも込めました。

 保護者の皆様、上手く愛情を伝えられなくても、自分を責めないでください。
 でも、愛故に縛りすぎることや、子どもの挑戦や選択肢を否定したり奪うことは、悲しいことだと知っておいてほしいと思っています。

 主人公に共感した皆様、自分の思いは大切です。決して諦めないでください。
 でも、自分の見たり考えられる範囲の外に、気づかないほどの無数の愛情があることを知っておいてほしいと私は願っています。

 この作品が、あなたにとって心に残る物語であれば幸いです。

 この度は、誠にありがとうございました。
 また別の作品でもお会いできること、楽しみにしております。

2023.09.24 氷高 ノア