僕は薄らいでいく意識の中で、もう永遠に動かなくなったレイナをしっかりと胸に抱きしめると、そっと瞼を閉じた。


その瞬間、僕の頭の中で鳴っていた時計の針の音がピタリと止まり、僕は真っ白の世界へ吸い込まれていった。

僕は必死に消えていく記憶の中の温もりを忘れまいと両手を伸ばした。

これだけは手放したくない。
忘れたくない。
僕のタカラモノだから。


──その優しい温もりの名前は……『愛情』







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