「レオ……父さん、母さ……会いたい、ね」
レイナの哀しそうな眼差しと沈んだ声に僕は、胸がぎゅっとなる。
「そうだな。でも僕はレイナがいてくれたから今までどんなに寂しくても生きてこれたんだ……これからも二人で生きていこう」
レイナが、ギィギィ音を立てながら、首を振る。
「……もうすぐ父さん、母さん、に会え、そう……レオ、一緒……いられ、なく、てごめん……ね」
「そんなこと言わないでっ……」
僕は瞳に膜が張りそうになるのを堪えながらレイナを見つめた。
「もう少しで……きっと良くなるから」
僕は希望と願望を込めて、そう言葉に出した。
この間偶然倉庫の片付けの最中に見つけた、父が遺したレイナの設計図とシステムエンジニアだった母が遺したデータを駆使すれば、きっとレイナをバージョンアップさせて寿命を伸ばすことができるはずだから。
「レオ……ありが、とう」
「全然だよ、僕がんばるね」
僕は、眉を下げて泣きそうな顔をしている、レイナの目を見て安心させるように頷いた。
機械の劣化と燃料が少ないせいで、もう自由に涙を流すこともできないレイナに僕の心はズキンと痛んだ。