なぜか、千草くんに聞こえてしまっている。



想定外の事態に私は、驚きを隠せない。



隠せないから、
目をぱちぱちさせながら瞬きをしている。



「ふっ、変わんねーな、花帆は」



私の目をしっかり見つめながら言う千草くん。



「(ふふっ、
千草くんこそ、変わんないね、)」



私が生きていた頃と変わらない笑顔。



私が好きだった千草くんと、
なんにも変わってない........................



「ちぐー!花火!なくなっちゃうよー?」



ううん。



千草くんは、
ほんの少し変わったかもしれない.........



千草くんのことを、
『ちぐ』と呼ぶ女の子がいて。



ほんの少し、前に進んでる気がした............