重い空気のまま帰路についた。私たちの間に会話はない。

恵理ちゃんには伝えられることは全て伝えた。恵理ちゃんの家族がどこまでその話を信じてくれるのかは分からないけれど、後をどうするかはきっと家族で話し合って決めるのだろう。


ダンボールに入れた神具は朝に比べれば随分重く、足取りも心も重かった。


「泰紀たち……大丈夫かな」


家が近くなってそう呟いたのは来光くんだった。

どうにも答えることが出来なくて「そうだね」と項垂れるように相槌を打つ。


「早く帰ろう」


嘉正くんの言葉にひとつ頷き歩みを早めたその時、


「うわぁあああッ!」


耳をつんざくような絶叫が聞こえて全員が動きを停めた。

聞き覚えのある声に言葉を失う。



顔を青くした二人が駆け出して、私も必死に足を動かした。