私たちは御祭神さまのその意思に気が付けず、災いとなって知らせようとしたその災いを打ち祓おうとしてしまった。

みんなで神棚の前に並んだその瞬間少しだけ指先がピリッとして、自分たちがしでかした間違いを思い知る。

本当に、禄輪さんが来てくれなければ今頃どうなっていたことか。


雷に打たれた慶賀くんたちも心配だった。早く帰って顔を見たい。

けれどその前に、私たちにはすべきことがある。


(ゆう)を始めに深い二礼、音を揃えて二拍手。

静かに目を閉じて「神棚拝詞」を唱えた、強く謝罪の気持ちを込めて。



神の言葉に背く事がどれほど重罪なのか、慶賀くん達の負った怪我で十分に思い知った。

そして自分たちがどれどれ未熟で浅はかだったのかということも。



詞を唱え終えても、神棚からは何も感じられなかった。

それが神様が出した答えなのだと思うと、胸が苦しくて涙が滲んだ。