「おばあちゃんが、巫女……」

「確証は持てないけど、巫寿が見えたということはきっとそうなんだと思う。日々のお勤めをご覧になった御祭神さまがおばあちゃんを巫女として認めたんだよ」


あらまぁ、とおばあちゃんは少し嬉しそうに微笑んだ。


「でもおばあちゃんがこの神棚の巫女だとして……どう関係があるの?」


おばあちゃんがこの神棚の巫女なんだとしたら、私の考えはやっぱり間違っていなかった。


「────もしかしたら、この家から……この社からおばあちゃんを……巫女を追い出そうとしたことに腹を立てたんじゃないかな」


あ、と嘉正くんと来光くんが息を飲んだのが分かった。


「神様は味方ではなく導く方で……巫女をこの社から追い出すことは間違いだって伝えたかったんじゃないかな」


みんなで初めてこの家へ来た時の優しい風を思い出した。

社頭に優しく温かい空気が流れているのは、その社が栄えているからだ。心地よく感じるのは、きっと神様がその土地を守り愛し導いているからだ。