「……っ! 慶賀くんと泰紀くんが!」

「駄目だよ巫寿ちゃん! 今は危険すぎる!」


立ち上がろうとするも、来光くんに手首を捕まれ阻まれる。

く、と唇を噛み締めた。


とてつもないエネルギーを感じる。全身の肌が火の中に飛び込んだかのように熱く刺すような痛みを感じる。

その時、玄関の奥から床を這う人影が見えた。

背に誰かをおぶって、玄関から出てきたその姿に息を飲んだ。


嘉正くんと来光くんがいち早く動き出し、玄関口で力尽きたそのふたりを引きずるように連れてくる。


「泰紀! 慶賀!」

「ッ、慶賀は……気絶してる。俺も、そろそろやばい、かも」


そう言っておどけるように笑った泰紀くんの顔は、まるで酷いやけどを負ったように赤くなっている。

気を失った慶賀くんも見える肌も元の色を探すことが難しいほどに変色していて、あまりの痛々しさに言葉が出ない。


「何があった!?」

「あの雷、普通じゃねぇ……ッ、自然の、物じゃない気がする……」


あの落雷のせいでふたりはこうなってしまったの……?

落雷を直に浴びたらこうなるのもわかる気がするけど、家の中にいたふたりがこんな風になるなんて、やっぱり普通の雷じゃないということだ。