その時、玄関の方が騒がしくなって車が入ってくる音が聞こえた。


「叔母さんとおばあちゃんが帰ってきたみたい」


そう言って恵理ちゃんはぱっと立ち上がると玄関へ走っていく。

楽しそうな声が遠くで聞こえて、やがて声は近づいてくる。


恵理ちゃんと一緒におばあちゃんが庭へ顔を出した。

私のことを覚えてくれていたのか、おばあちゃんは目が合うなり嬉しそうに微笑む。ぺこりと頭を下げると小さく手を振ってくれた。


「巫寿」


声をかけられて振り返る。皆がそこに立っていた。


「この家の憑き物が分かったよ」

「うん、間違いないと思う」


目を見開いて皆の顔を見た。