「────変なところ見せてごめんね」


恵理ちゃんのお父さんが帰ってきて、炭に火がつくとバーベキューが始まった。

一通り楽しんだあと、休憩がてら縁側に座ってお茶を飲んでいると恵理ちゃんが申し訳なさそうに私の隣に座った。

慌てて首を振る。


「おばあちゃん、具合良くないんだね」

「最近、急にね。それでホームに入れなくなったから、お母さんたちはぴりぴりしてて。私は断固反対だからすぐ喧嘩になっちゃうの」


そうか、それでさっきのやり取り……。

昔から恵理ちゃんがおばあちゃんっ子だったのは良く印象に残っている。


「別にホームへ入ることが悪いことだとは思ってないの。ただ、まだおばあちゃんは自分のことだって自分でできるし、こんな無理やり追い出すような形なのに納得がいかなくて」

「おばあちゃんはなんて言ってるの?」

「……なんにも。ただ私たちが喧嘩すると、凄く悲しそうな顔をするの」


そっか、と相槌を打つ。

悔しそうにきつく握られた恵理ちゃんの手なそっと触れる。