「みこが元気だったから、もう全部許す。大変だったんだね。何も力になれなくてごめんね」
昔と変わらず心から心配してくれているのが伝わってきてじんわりと胸が熱くなる。
「安心したらお腹すいた! やっぱり心配かけたんだからナゲット一個もーらいっ!」
私のトレーからナゲットを摘んだ恵理ちゃんはぱくりと一口で食べてしまう。
もう、肩をすくめるとくすくすと笑った。
それからは昔話や学校のみんなの進路の話に花が咲いた。
恵理ちゃんは見事に第一志望へ進学することが出来たらしく、私もめざしていた公立の進学校へ通っているんだとか。
「そういえば、みこも今夏休みだから帰省してるって言ってたよね? どこの学校に通ってるの?」
至って普通の質問だけれど、うっと言葉に詰まる。
あの特別な学校をどう説明すればいいのだろう。
「えっと……全寮制の神道系の学校だよ」
「へえ、じゃあ普段は寮暮しなんだ! いいなあ、楽しそう。それにしてもカトリック系とか仏教系の学校は聞いたことがあるけど、神道系の学校もあるんだねぇ」