「な、なんでもない! ほ、ほら最近そういうアニメ見てから、俺らの中でそれっぽい会話して遊ぶのにハマってて!」
「そうそうっ! それっぽいあれをね!」
「な、巫寿!?」
必死にこくこくと頷けば、恵理ちゃんは険しい顔のまま歩み寄ってくる。
「さっき、男の子が宙に浮いてたのは……?」
「そこから見てたの!?」
慶賀くんのその一言に、隣に立っていた泰紀くんが思い切り頭を叩いた。
いてぇっ!と悲鳴をあげてうずくまり悶絶する。
可哀想だけれどそれ以上墓穴を掘られると困るのでそれでそのままでいてもらえるとありがたい。
「声が聞こえて、小さな子の悲鳴が。なんだろうって思って見に来たら、男の子が浮いてて、みこたちが駆けつけてきて。何が起こってるのか分からなくて怖くて、ずっと茂みに隠れてたの」
恵理ちゃんの瞳が揺れている。
目の前の事実が信じられないとでもいいような表情だった。
どうしよう、と嘉正くんに視線を送る。