一通りお説教を食らった男の子たちは巫女のお姉さんに連れられて社頭へ戻って行った。

さて、と息を置いた神主さんは私たちを見回した。


「お手柄だったね、と褒めてあげたいところだけれど……」


次の瞬間、ぴんとおでこを弾かれて目を白黒させた。

私にはだいぶ手加減されていたらしいけれど、男子勢は「いでっ」と声を上げて額を押えた。



「今回は運が良かったものの、自分たちの手には負えない相手だったらどうした? どうして大人に知らせなかったの」


それは、と言葉を詰まらせる。

確かにそうだ。鳥居の一件は薫先生や禄輪さんに連絡をとったのに、今回はそれをしなかった。

頼ればすぐに駆けつけてくれる距離にいたのに、私たちは知らせようとしなかった。


「確かに僕たちの持っている力は特別だけれど、その力を過信してはいけないよ。相手が何か分からないなら尚更だ」


反論する言葉も出てこず、みんなして項垂れる。

すみませんでした、と頭を下げると暖かい手がぽんと置かれた。


「でも、今回は本当にお手柄だったね。将来有望な神職がたくさん育っていて嬉しいよ」


ぱっと顔をあげれば神主さんは優しい目で私たちを見ていた。


みんな互いに顔を見合わせる。

くすぐったさに肩を竦めてはにかんだ。