本当にあと少しですっかり元通りだ。

チーム出仕のメンバーが揃う日が待ち遠しい。



「そういえば慶賀たちは、クラス発表何するの?」

「俺らはねー、合唱!」

「合唱?」

「へえ、面白そうだな。揃って歌うのか?」


午後のクラス発表のことで盛り上がっていたその時、



「────おーい! あれ、全員いるじゃん!」


ザッザッと庭園を走る足音とともに、誰かの声が聞こえた。

聞き覚えのあるその声に、皆は目を丸くした。


ハッと立ち上がった聖仁さんが辺りを見回す。



「────瑞祥!」

「え、まじ?」


驚いてみんな立ち上がる。

満面の笑みを浮かべて大きく手を振りながら、こちらに向かって走ってくる姿を見つける。


ドドドッと前と変わらない勢いで走ってくる瑞祥さんは、私の目の前で両足で踏ん張るとぴょんと飛び跳ねた。

そのまま私に飛びついて、二人して後ろにひっくり返る。


驚きすぎて目を白黒させていると、耳元で瑞祥さんが「巫寿ーッ!」と私の名前を叫ぶ。

首を締め上げる勢いで抱きつく瑞祥さんは私の肩に顔を埋めると今度はおいおいと泣き出した。