私たち神楽部はもちろん奉納舞だ。

男子は倭舞、女子は巫女舞で浦安(うらやす)の舞というのを発表する。

本来は「八岐大蛇伝説」の神話舞も合わせて行われる予定だったけれど、部活動の活動が再開したのが最近だったので十分な練習時間が取れず今年は中止になったのだ。


学校内の活気は徐々に戻りつつある。入院していた生徒も一部を除いて皆帰ってきた。

盛福ちゃんと玉珠ちゃんも自室療養していたけれど、豊楽先生が調合した薬がすぐに効いて今はこの通り元気いっぱいだ。


学生寮に住み着いていた応声虫は私たちが燃やした後、亀世さんが言った通りすぐに先生たちが駆けつけて、残りも一気に駆除された。

案の定、気付いた時点で報告せずに黙って応声虫の駆除をした事はこてんぱに叱られたけれど、まねきの社の瑞雲(ずいうん)宮司の采配で私たちに課されていた罰則はゼロになった。


噂好きの学生たちのおかげでその話はあっという間に広まって、今やこうして"ヒーロー"なんて呼ばれたりている。


かなり恥ずかしいけれど、ちょっと誇らしい。