「泰紀……ッ! 絶対生きて帰って来いよ!」

「大袈裟だつーの。実家の村にある空き家の方がもっとヤバいわ」



振り返らずにグッと親指だけ立てて部屋の中へ入っていった泰紀くん。



数秒後、ゴーッと炎が激しく燃え盛る音がしてドアの隙間からにょろにょろと数匹這い出てくる。

すかさず祝詞を奏上した聖仁さん。


出てきたのはそれだけで、私達は呆然としまった扉を眺める。




「あいつ……」

「格好良すぎでしょ……」




慶賀くんと来光くんが、そう呟いた。